フィリピンは100種類以上の言語が存在する多言語国家ですが、フィリピンの言語として有名な『タガログ語』とは、たくさん存在するフィリピンの言語のなかでどんな位置付けの言葉なのでしょうか?
1.タガログ語はフィリピンの国語である
「タガログ語・フィリピノ語・フィリピン語」は基本的に同じ言語を指しています。マニラ首都圏で話されてきたタガログ語がフィリピン憲法によってフィリピンの公用語と定められました。メディアでも使われているのはタガログ語です。フィリピンに住んでいる人たちは地方出身者であってもタガログ語を理解し、読み書きができます。
2.タガログ語は、基本アルファベット表記でローマ字読み
タガログ語はかつて「バイバイン(アリバダ)」と呼ばれるインドに起源を持つ文字が使われていましたが、現在はアルファベット表記となっています。タガログ語におけるアルファベットは「アバカダ」と呼ばれており、「C・F・J・Q・V・X・Z」を使用しません(ただし、英語の固有名詞を記載する際は使用します)。英語には存在しないタガログ語独自の子音「ng(ング)」もあります。この他にも独特の発音をする単語がいくつかあり、英語と同様にタガログ語の「L」と「R」の発音が違いますが、基本的には「ローマ字読み」で通じますので、タガログ語の初心者でも比較的簡単に読むことができます。
3.タガログ語は、スペイン語の影響を大きく受けている
フィリピンは長きに渡りスペインの植民地であったことから、スペイン語に大きく影響を受けています。例えば数字にはスペイン語と英語が使われていますし、曜日もスペイン語を使います。その他の単語もスペイン語由来のものがたくさんあります。例えば「kwarto」(部屋)「serpyente」(蛇)「pamilya」(家族)などがそうです。タガログ語では「f」を「p」に換える傾向があります。英語の「forty」を「ポルティ」、日本語の「ofuro (お風呂)」を「オプロ」というように、fがpの発音に変わってしまうのです。
4. タガログ語は英語の影響も大きく受けている
フィリピンはスペインの植民地であると共にアメリカの植民地でもあったため、英語の影響も大きく受けています。そのためタガログ語は「タグリッシュ」(Tagalog + English)とも呼ばれており、フィリピンの人の日常会話はタグリッシュで話されます。マニラなどの都市部にこの傾向が強く、例えば朝の挨拶では「good morning po」と言い(「po」は「ございます」の意味)、これをタガログ語で言うと「magandang umaga po」と長いのでタグリッシュを使った方が短く便利です。タグリッシュこそ、フィリピンの言葉だ!と言えるほどに、フィリピンの人々にとっては身近な言語となっています。学校では「タガログ語」と「英語」の両方が使われていて、数学や物理、化学などの教科ではタガログ語の単語に限りがあるため、英語が使われています。
5. フィリピンは「多言語文化」である
フィリピンにはその数170以上もの言語が存在すると言われています。そしてこれらの言語は方言程度の差ではなく、全く別の言語形態です。フィリピンは7000を超える島で構成されており、このような地理的な要因のためにたくさんの言語が存在していると考えられます。フィリピンの学校ではタガログ語と英語の両方が用いられているので、フィリピンのほぼすべての人々がタガログ語を理解することができます。地方を出身とする人たちは地元の言語を母語とするので計3カ国語を話すことができます。フィリピンにはこのような多言語文化の背景もあります。
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