キャプション翻訳について

近年、コロナによるリモートワークの活発化により、リモート会議やウェビナーなどでのキャプション(字幕)翻訳の需要が急速に高まりつつあります。
また、映画やドラマなどの映像作品だけでなく、ビジネスにおける会社のPR動画やyoutubeなどのサイトに投稿される動画などにもキャプション翻訳は欠かせないものとなっています。
今回は、そんなキャプション翻訳についてご紹介していきます。

キャプション翻訳とは?

映画やテレビ番組などの映像作品や動画資料における人物のナレーションやセリフを多言語に翻訳し、キャプション(字幕)として映像上に訳文を記載する手法です。
キャプション翻訳においては、使用用途によっては、ただ単に訳文を映像に記載するだけでなくその映像を見た視聴者が正確に内容を理解できるように簡潔な表現をする工夫が必要です。
映画やテレビ番組における公式的な映像の字幕翻訳には以下のようなルールがあります。

  • 表示時間:1秒につき4文字まで表示可、字幕1回の表示時間の最大は6.5秒まで
  • 表示行数:字幕1行につき、最大13文字までで1画面につき2行かつ20文字まで
  • 句読点を使用しない

キャプション翻訳は、上記のようなルールが適用される場合にはかなりの難易度であるといわれており、ルールを守ることだけでなくその他にも様々なスキルが必要になると言われています。

キャプション翻訳に必要な能力とは?

海外の文化や習慣に対する知識

国によって文化や習慣に違いがあるため、海外では一般的な表現でも直訳をしただけでは日本人にはその意味をきちんと理解ができない場合があります。
海外の独特の文化、「ジョーク」も会話や発言の中で自然に補足の説明を入れ込んでいくスキルも必要です。
また、日本人に分かりやすいように適切な言葉の言い換えをするスキルも必要不可欠といえます。

簡潔な表現ができるスキル

文字数や表示する行数の制限下においては、表現をコンパクトかつシンプルにすることが重要です。
視聴者がひと目でその内容を判断しやすいように客観的な翻訳を心がけることも必要になってきます。
長い発言や会話を適切に端的に収める要約力なども求められます。

語学力

翻訳に必要なスキルにおいて必要最低限となるのはいわずもがな、高い語学力です。
映像翻訳家という仕事も存在し、映像翻訳を生業にされている方もいますが、基本的にプロの映像翻訳家になるために必要な資格はありません。
語学学校などで語学力を研鑽したのちに、本格的にキャリアをスタートさせる方が多いようです。

理解力

視聴者に動画の内容を適切に理解してもらうには、翻訳者自身の動画に対する理解力が最も重要といえます。
動画の内容や分野は多岐に渡りますが、一般的な内容のものから、セミナーや学会の映像などの高度で専門的な内容になるものまでその難易度には幅があります。
高度な知識を要する動画に対する理解力だけでなく、限られた文字数の中でいかにその内容を視聴者に上手く伝えられるかが翻訳者に求められるスキルといえるでしょう。

キャプション翻訳の活用事例

自社サービスのPR活動

積極的に海外展開を進めている企業では、社内のグローバル化に伴って社内資料の多言語化が必要になってきます。
また、外国人の新入社員向けの研修動画や、海外の顧客・取引先への自社製品やサービスのPR動画の作成時に、キャプション翻訳を利用する企業が多いです。
海外顧客への販促活動としては、キャプション翻訳を活用して製品説明動画を作成することはとても効果的です。

ウェビナー

コロナ禍の影響により、ウェビナー(オンラインセミナー)の需要が急速に高まりました。
個人的な利用のみならず、企業や研究機関などによっても積極的に利用されるようになりました。
さらに既に録画済の動画やストリーミングを使用した形式のウェビナーでも、キャプション翻訳が多く活用されています。
また、企業においては、自社で制作した字幕付きのウェビナー動画を海外販路の新規開拓等に向けて展開することも可能です。

会議や商談

企業同士の会議や商談も、コロナ禍や相手先企業が海外にあるという理由によって、リモートで行われることが増えました。
これにより、不参加者や欠席者に向けて録画や録音が行われた会議や商談の動画が用意されることが多くなりました。

今回はキャプション翻訳についてご紹介してきました。
活用事例においては、ビジネスの場においての企業の事例が多くありましたが、個人的な動画を海外向けにネットにアップする際など、その活用の幅は個人から企業に至るまでかなり広くなっています。
動画というメディアを最大限に有効活用するためにも、もし海外に向けた動画での情報発信を検討されている方は一度キャプション翻訳を利用してみてはいかがでしょうか。
弊社では、キャプション翻訳に関する実績が多数ございますので、ご利用を検討されている方はお気軽にご相談ください。