2022年W杯開催国のカタールってどんな国?

世界中が熱狂している2022年W杯。開催国のカタールについて皆さんはどんなことを想像しますでしょうか。日本から遠く離れた国で、カタールを知っている人でないとなかなかカタールについて思い浮かべることが難しいかもしれません。
今回は、アラビア地域の一つカタールについて紹介します。

以前、plus connectionではアラビア地域について紹介した記事も公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。

カタールってどんな国?

人口280万人
首都ドーハ
公用語アラビア語
宗教イスラーム65.2%、ヒンドゥー教15.9%、キリスト教13.7%

カタールは、アラビア半島の東にあるペルシャ湾に突き出たカタール半島に位置する首長国です。サウジアラビアと国境を接しています。首長国は、イスラム世界の君主の称号の一つである「首長(アミール)」が君臨する国家のことを言い、君主制の一形態です。

カタールといえば、1940年代に石油が発見されてから、開発されてきた石油資源によって国づくりを進めていき、一人当たりの国民所得は世界トップレベルです。それに伴い、カタール国籍の人は人口のわずか13%で、残りの87%にあたる人がインドを始めとする南アジア諸国等からの外国人労働者として集まってきた人々です。男性の人口割合が非常に多いことが特徴です。
近年は、国の存在を世界に示すことにも積極的に取り組んでおり、高級リゾート開発、国際会議、2022年W杯開催などが事例に挙げられます。

日本とカタールの関係

1972年に日本とカタールは国交が樹立しました。カタールにとって日本は第6位の貿易相手国で、経済の関わりが強いと言え、2015年にカタールにはおよそ50社の日本企業が進出しています。また、1996年にカタールは日本に25年間、毎年600万tの液化天然ガスを輸出することに合意し、カタールから日本への石油輸出も盛んに行われています。
しかし、2017年にカタール外交危機が起き、輸送費が上がり、地域間貿易に関わる日本企業に影響を及ぼしました。カタールは世界第2のヘリウムの産出国家であり、日本のヘリウム輸入のおおよそ4分の1を占めていましたが、カタールを制裁する周辺諸国により、日本への輸出が妨害されてしまい、当時の外務大臣は対話による早期解決のための仲介などを支援すると伝えていました。
このように日本とカタールには貿易・外交などで交流があり、2014年にISILがシリアにおいて日本人2人を拘束した際は、カタールが解放交渉に尽力してくれた過去などもありました。

カタールで話されている言語について

カタールの公用語はアラビア語です。カタール人が話すアラビア語は主に「アラビア語湾岸方言」です。この方言の使用範囲はクウェート、イラク、サウジアラビア、バーレーン、カタール、アラブ首長国連邦、イラン、オマーンの海岸地帯と言われています。この方言の下位方言に大差はなく、相互に理解可能なようです。

また、過去にイギリスの植民地であったことや、インドやパキスタンなどと同様の歴史を持つ国からの労働者が大半を占めていることから、英語も共通語として政財界を中心に広く使用されています。その他、ヒンディー語、ウルドゥー語、マラヤーラム語、タミール語、ネパール語やタガログ語など、それぞれの外国人労働者の母語も話されています。

英語が共通語として使用されているので、カタールの生活の中でアラビア語だけではなく、英語の記載があることがほとんどです。英語が分かる人にとっては、カタールでの生活はあまり困ることはないと言われています。また、共通語が英語だということからカタールでは、英語教育に力を入れており、英語教育は小学校から開始され、テレビも2か国語放送に対応するなど、英語に触れる機会が日常的に多く設けられています。

今回は、カタールについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。弊社plus connectionには、カタールの文化や言語をよく理解したアラビア語の通訳者や翻訳者が在籍しております。ぜひ、アラビア語についてお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。