紀元前からブリテン島(イギリスの島)にいたのはケルト人で、彼らはインド・ヨーロッパ語族に属し、ケルト語を使用していました。4~5世紀に、北アジアの遊牧民族のフン族に追われてゲルマン民族が大移動しました。その一部のアングル人やサクソン人がブリテン島に移住したときから「English」が始まりました。この「English」という言葉自体が「Angles(アングル人)」に由来しています。彼らが話した西ゲルマン語に属する言葉は、現在における英語のベースとなっており、このアングロ・サクソン時代の英語を「古英語」としています。
1066年、フランスのノルマン人ギョーム2世はイギリスを占領し、ノルマン朝を開いて現在のイギリス王室の開祖となりました。その際、イギリスの宮廷の公用語や上流階級の日常語がフランス語(厳密にはノルマン・フランス語)となりました。
一方で、英語は庶民の言葉として引き続き使われました。ノルマン朝以降の英語のことを、中世の英語という意味で「中英語」といいます。そして、母音体系の変化である大母音推移が進行し、1476年にイギリスで印刷が始まる頃から「初期近代英語」の時代となっていきます。さらに、18世紀半ばから19世紀にかけて起こった産業革命の時代の頃から、人称代名詞の二人称単数形(thou, thy, thee, thine)が、複数形と同形(ye, your, you yours)に統合され「近代英語」と呼ばれ、20世紀以降の現在の英語は「現代英語」と分類されます。
英語には大きく分けて「イギリス英語」と「アメリカ英語」があります。イギリス英語は発音や文法が正しい英語の使い方をしています。とても文章が忠実できれい、そしてとても丁寧で礼儀正しい表現を好みます。イギリス英語を話す国は、イギリス、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、インド、シンガポール、マレーシア、香港、南アフリカ、西アフリカ、マルタなどが挙げられます。
一方のアメリカ英語は元々イギリスで誕生し、イングランド人の移民によってアメリカに伝わりました。イギリスとアメリカは大陸も離れているため、個々に異なる特徴を持って成長していきました。そのため、イントネーションや単語の綴りに至るまで、様々な面で変化し使われるようになったのです。本来のイギリスの英語を簡単に伝えるように、省略に省略を重ねた結果のカジュアルな英語といえます。アメリカ英語を話す国は、アメリカ、カナダ、プエルトリコ、リベリア、フィリピンなどが挙げられます。
使用している国の数を見ると、以外とイギリス英語を話す国が多いのですが、その理由にイギリスが植民地にしていた国の影響があります。しかし、使用している国の数でいうとイギリスに及びませんが、実は英語人口の割合でみるとアメリカ英語を話す人の方が圧倒的に多いようです。我々日本人が中学、高校、大学と学んできた英語も、基本的にはアメリカ英語になります。
今回は、英語の起源から現在の英語の大まかな種類について書きました。日本語に比べ歴史が非常に長く、ノルマン、イギリス、アメリカと歴史の大国で使われ、変化し続けてきた言語が英語です。時代の変革とともに遠い昔から使われてきた言語は、我々人類の大きな財産です。我々が使っている日本語もその一つです。
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