TOEICとは?
TOEIC(トーイック/トイック)とは「Test Of English for International Communication」の略称です。直訳すると「国際的な意思疎通のための英語のテスト」となります。
TOEICのテストプログラムの開発は、アメリカのプリンストンに拠点を置いている「ETS」(Educational Testing Service)が行っています。日本でのテストの運営は「財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会」(IIBC)が担当しています。
IIBCのウェブサイトには、TOEICは、「オフィスや日常生活における英語によるコミュニケーション能力を幅広く測定します。」と明記されていますが、受験者は、就職活動のために受験する大学生や、業務で英語が必要なフルタイム勤務者が多いようです。
TOEICの受験者数は日本で年間約245万人(2018年)に昇ります。世界160カ国で年間約700万人が受験しており、受験者数では日本が断トツ1位です。2位の韓国では年間200万人以上が受験しており、日本と韓国だけで445万人以上となり、この2カ国だけで64%以上(約3分の2)を占めています。
TOEICの種類
一口に「TOEIC」といっても、実は5種類のテストがあります。5種類のうち大きくは2つ「TOEIC Tests」と「TOEIC Bridge Test」に分かれます。更に、「TOEIC Tests」は、TOEIC Listening & Reading(L&R)、TOEIC Speaking & Writing(S&W)、TOEIC Speakingの3種類のテストに、「TOEIC Bridge Test」は、Listening & Reading(L&R)、Speaking & Writing(S&W)の2種類のテストに分かれています。
最も一般的に普及しているのは「TOEIC Tests」のTOEIC Listening & Reading(L&R)です。このテストの受験者が総受験者数の9割以上を占めています。一般的に「TOEIC」といった場合は、この「L&R」だと思って良いです。英語を「聞く」(Listening/リスニング)能力と、「読む」(Reading/リーディング)能力を判定し、1979年から実施されています。
他の種類の「TOEIC Tests」であるTOEIC Speaking & Writing(S&W)、英語を「話す」能力と「書く」能力のテスト、TOEIC Speakingの「話す」能力のテストがあります。
TOEIC Bridge Testは、2001年から実施されており、IIBCによると「英語学習初級者から中級者を対象とした、日常生活における活きた英語の力を測定する」と定めています。こちらのListening & Reading(L&R)を受験する人は、年間の総受験者数が17万人弱で年々減少傾向にあり、しかも約17万人のうちの約98%が団体受験で、一般にはなかなか普及していないと言えます。
TOEICの内容
一般的に「TOEIC」と言われている「TOEIC Listening & Reading」(TOEIC L&R)について紹介します。
※これからは別途記載がない限り、TOEIC (L&R)のことを「TOEIC」とします。
- 英語力評価方法
TOEICは、大きく2つのセクションに分かれ、前半のリスニングセクションでは英語を「聞く」力を測定し、後半のリーディングセクションでは「読む」力を測定します。それぞれのセクションは、5〜495点の5点刻みの点数(スコア)で評価され、合計10〜990点の5点刻みで評価されます。
- 問題数・時間と問題形式
リスニング・セクションは45分間で、Part 1〜4までの100問です。
リーディング・セクションは75分間で、Part 5〜7までの同じく100問です。
トータル2時間で200問の問題を解きますが、途中の休憩はありません。
また、問題は全てマークシート方式です。問題や答えとなる選択肢などは、全て英語で書かれています。したがってテストで英文を日本語に訳したり、日本語を英語に訳したりするような問題は出題されません。
- TOEICでの点数と英語力のレベル
では、TOEICの点数はどの程度を目標とすべきなのでしょうか?
今回は、TOEICの平均点と企業が提示している指標などを参考に見てみましょう。
TOEICの平均点
2019年12月に行われたTOEIC(受験者数87,245人)の平均点は595.4点(リスニング・セクション:327.6点/リーディング・セクション:267.8点)でした。過去1年間で行われた10回を見ると、平均の最低が578.4点、最高が597.5点でしたので、平均点以上を取ろうと思うと600点が目安になります。
企業が提示しているTOEIC目標点数
IIBCが調査した企業の約半数は、採用や昇進・昇格、海外出張・赴任者選抜でTOEICの点数を要件もしくは参考にしているようです。それらの点数の平均は以下の表をご覧ください。
採用 | 昇進・昇格 | 海外出張・赴任者選抜 | |||||
新卒 | 中途(英語を使用する部署) | 係長・主任 | 課長 | 部長 | 役員 | 海外出張者 | 海外出張・赴任者選抜 |
545 | 620 | 515 | 530 | 565 | 600 | 620 | 635 |
企業が社員に期待するTOEIC点数の平均
新入社員 | 中途社員 | 技術部門 | 営業部門 | 海外部門 |
535 | 560 | 560 | 575 | 690 |
ちなみに、韓国で有名なサムスン電子では、新入社員に900点を要求しており、課長に昇進するには920点が要件だと言われています。それに比べると日本企業が要求する点数はかなり低く、この差が、企業の競争力の差につながっているのではないだろうかと言えます。
日本企業の中にも、職種によっては860点や900点以上を要求するところも多くなってきています。グローバル化が進む現代では、要求される点数の平均点が高くなっていくことは避けられないと言えます。
TOEICの受験情報
TOEICの受験をお考えの方は、下記をご参照ください。
TOEICは、年齢を問わず誰でも受験することが可能で、インターネットのみ受験の受付が行われています。
また、年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月)全国約80都市で実施されています(受験地により実施月が異なります)。
受験料は7,810円(税込)で、リピート受験をされる方は割引が適応され、7,150円(税込)となります。2021年10月からこちらの金額に改定されましたのでご注意ください。
受験についての詳細情報やお申し込みは、IIBCのサイトをご覧ください。
IIBCのサイトはこちらから→https://www.iibc-global.org/toeic.html
今回は、TOEICについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?弊社plus connectionの通訳者、翻訳者はTOEICテストで満点近い点数を誇る、優秀な英語の通訳者、翻訳者が在籍しています。皆さんもご自身の目標にあった点数獲得を目指していただき、英語においてお困りのことがありましたら、ご相談ください。