フランス語のメールの書き出しや結びの言葉について

フランスの大学に留学したい場合、かつては大学の資料請求、願書、成績表の出願はすべて郵送でしたので、フランス語でカバーレターを書かなければなりませんでした。しかし、今ではすべてメールやネットでの申し込みで完結するようになりました。
フランス語のメールを書く際に困るといわれているのが、書きだしと結びの言葉。フランス語にも日本語のように「拝啓」、「敬具」に似た決まり文句があります。
今回は、フランス語のメールでの書き出しと結びの言葉についてご紹介します。

ビジネスメールでの書き出し

ビジネスで相手に初めてメールをする場合や、学校の事務局や企業などに初めて何かを問い合わせる場合は、フォーマルな書き出しがある程度必要で、日本語と変わりません。
しかし、送る相手が誰かによって書き出しが変わるので、注意しましょう。

メールの相手がだれか分からない場合には、
Madame, Monsieur,
で始めると良いです。

相手が分かっている場合、
男性にはCher Monsieur,
女性にはChère Madame,
と書き始めます。これらの文章の最後はすべてカンマ(,)です。
その後は、必要であれば簡単な自己紹介を記載し、「メールをした理由」を簡単に書けば良いです。

ちなみに、募集広告などを見てメールする場合には、
Je me permets de vous contacter suite à…(…を見てあなたにご連絡させていただきました。)と書き始め、
簡単に何のためにメールをしたのかという概要を伝えるには、
Je vous écris au sujet de…(…について書かせていただきます。)と書き始めると良いです。

友人などへの書き出し

友達や親しい人へのメールでの書き出しは、
Bonjour Catherine, (こんにちはカトリーヌ)
または
Cher Vincent, (親愛なるヴァンサンへ)※女性ならCherではなくChèreです。
で始めれば良く、堅いルールはありません。

また、ビジネスの場面でもよくメールする相手であれば
Bonjour Monsieur Macron, (マクロンさんこんにちは)
と書きだしても問題はないようです。

ビジネスのメールであれば、
Concernant… (…についてですが)
といきなり書きだしても問題はないようです。

資料や写真を添付する場合

書き出しではありませんが、メールに資料や写真を添付する場合は、相手が添付ファイルの有無に気づかない場合もありますので、文中に添付した旨を一言書いておくのが良いでしょう。

  1. Je vous envoie ci-joint un exemplaire du questionnaire. (添付にて質問事項を一部お送りします。)
  2. Je vous envoie ci-joint des exemples et photos. (添付にて見本と写真をお送りします。)
  3. 例3) Vous trouverez ci-joint copie des notes dont je me suis servi. (添付にて私が使ったメモをお送りします。)

※ci-joint というのが「添付」という意味になります。

基本的な結びの言葉

ここからは結びの言葉について紹介します。
以下の「結びの言葉」は、ビジネス上のメールはもちろん、一般的なメールや手紙(家族や友達、恋人などの親しい人以外に書く場合)にも最後に書く結びの言葉です。

  • Cordialement, (心をこめて)
  • Sincèrement, (敬具、心をこめて)
  • Sincères salutations, (心を込めて)
  • Bien cordialement, (心を込めて)
  • Bien sincèrement, (心を込めて)
  • Cordialement vôtre, (心を込めて)
  • Sincèrement vôtre, (心を込めて)
  • Bien à vous, (ではまた)
  • En vous souhaitant cordialement une excellente journée, (心を込めて、素晴らしい一日をお過ごしください)
  • Avec mes salutations, (心を込めて)
  • Avec mes remerciements, (感謝をこめて)

上記の結び言葉の最後はピリオド(.)ではなくコンマ(,)です。

自分より役職や身分が上の人、クライアントへのメールでの一般的な結びの言葉

こちらは先ほどの基本的な結びの言葉よりも、形式的で丁寧な結びの言葉に当てはまります。まったく知らない人、特に親しくない間柄の場合には、以下の形式的な結びを用いる方が良いです。すべて決まり文句で、日本語の「敬具」に近い意味を持ちます。
また、メールの相手が誰かわかっている場合には、男性宛てならMonsieur、女性宛てならMadameをつけますが、行政や学校の事務局宛てなどのメールで相手が分からない場合には、Madame, Monsieurと両方つけます。(レディファーストでMadameが最初にきますのでご注意ください。)

  • Veuillez agréer, Madame, Monsieur, l’expression de mon profond respect.
    (相手が分かっている場合には、女性ならMadameを、男性ならMonsieurのみを書く。)
  • Recevez, Madame, Monsieur, mes salutations respectueuses.
    (相手が分からない場合)
  • Recevez, Madame, Monsieur, mes sincères salutations.
    (相手が分からない場合)
  • Je vous prie d’agréer, Madame, Monsieur, mes salutations distinguées.
    (相手が分からない場合)
  • Veuillez agréer, Madame, Monsieur, mes salutations distinguées.
    (相手が分からない場合)
  • Veuillez agréer, Madame, Monsieur, mes meilleures salutations.
    (相手が分からない場合)
  • Veuillez recevoir, Madame, Monsieur, l’assurance de ma considération distinguée.
    (相手が分からない場合)

フランス語のメール書き出しと結びの言葉を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
弊社にはフランス語の知識が豊富な翻訳者・通訳者が多数在籍しておりますので、ぜひお力になれればと思います。その他、フランス語のことでお困りのことがございましたら、些細な事でもお気軽にお問い合わせください。