皆さんはクメール語をご存知ですか?
英語やドイツ語などのメジャーな言語と違って、あまり聞き慣れない言語かと思います。
別名カンボジア語とも呼ばれるクメール語ですが、今回はその特徴などをご紹介していきたいと思います。

使用地域

クメール語は、カンボジア(カンボジア王国)の国語で、カンボジアにおける主要構成民族(全体の9割を占める)であるクメール族が使用する言語であることからそう呼ばれています。
他にも、タイやベトナム、ラオスなどでも使用する方がいて、国内外でおよそ1,500万人が使用しているといわれています。
旅行に行った際に英語が通じないのかと心配になった方が多いかもしれませんが、ご安心ください。
一般的に私達旅行者がいるような観光地のホテルやレストラン、お店などでは基本的に英語が通じます。
街の看板もクメール語と英語が併記されている場合が多いので、英語があらかた理解できれば困ることはないでしょう。
しかしながら、昔ながらのローカル屋台や市場では、メニューや値札の表記がクメール語のみであることが多いので注意しましょう。

歴史

カンボジアは古来よりインド文化の影響を多く受けたため、パーリ語(古代インドの俗語)やサンスクリット語(インドの伝統的な学術言語)が由来である言葉が非常に多い傾向にあります。
また、植民地時代の名残からフランス語やタイ語から来ている言葉もあります。
カンボジアが独立してからは、それらをカンボジア語に置き換える活動が始まりましたが、内戦が発生したことにより、未だ根強く残ることとなりました。
一部の人にはフランス語が通じる場合があるようですが、医師などの高学歴な方や高齢者などのごく少数に限られるようです。

特徴

アジアの他の言語とは違い独特の音韻体系と書記体系を持っているため、その複雑性と独自性により世界中の言語学者から注目されています。
また、文字と発音が直接的に対応しているので、発音を勉強する際は他の言語と比べて直感的に学ぶことができます。
英語やフランス語などのように、文字表記と発音が一致しない言語を学んだことがある方にとってはかなり理解しやすい言語かもしれません。

言語としての難易度

上述にて発音と文字が直接的に対応していることを述べましたが、実際のところ、難易度はどのくらいのものなのでしょうか。
クメール語は子音で33種類、母音で23種類あり、子音と母音が組み合わさって1文字ができあがるので759種類(33×23)の文字があるということになります。
さらに特殊音を含めるとその総数は1,000種類を超えると言われています。
英語のアルファベットが26種類なので、かなりの量があるといえます。
「文章内の単語と単語との切れ目が分かりにくい」ことや「文字量の多さ」から、クメール語はかなり難解な言語であるといわれているのです。
カンボジアでは幼い頃から学校でクメール語を学ぶことになりますが、子供それぞれの意欲や家庭環境によって、やる気や習得率はまちまちだそうです。
また、発音自体がかなり難しいといわれているので、私達外国人が習得するには4年以上はかかると言われています。

フレーズ紹介

ここで、クメール語の基本表現をいくつかご紹介します。

■「こんにちは」
クメール語で「ជំរាបសួរ」、発音は「チョムリアップ スォ」(chum reap suor)です。
日常的に使用できるフレーズですね。
上記でご紹介しているのは少し丁寧な言い方で、友人などへのフランクな言い方は「スォ スダイ」と言います。

■「私の名前は…です」
クメール語で「ឈ្មោះខ្ញុំគឺ…」、発音は「クニョム チュモッ ケイコ」(chmoh khnhom kuh…)です。
自己紹介が現地語でできると、現地の人々とより一層親交を深めることができそうですね。

■「ありがとう」
クメール語で「អរគុណ」、発音は「オークン」(orkun)です。
この言葉が使えるだけで感謝を述べることができます。
必須の表現と言えるでしょう。
ちなみに、どういたしましては「អត់អ្វីទេ」発音は「オッ・アイ・テー」(ot ey te)と言います。

■「さようなら」
クメール語で「ជំរាបលា」、発音は「チョムリアップ・リア」です。
少しフォーマルな言い方になりますが、こちらも覚えておきたいフレーズです。

クメール語を使用するメリット

英語でも意思疎通ができるカンボジアにおいて、あえてクメール語を使用する最大のメリットはやはり地元の方と深い交流ができるということにあります。
カンボジアは親日国といわれており、日本人に対して非常に友好的な方が多いのです。
会話をした際に現地の言葉を使用できると、更に親しみを持って接してくれることでしょう。
母国語による意思疎通ができることで、現地での生活を充実させることができ、新たな出会いも広がるのでより一層貴重な経験をすることができます。

いかがでしたか?
土地に根ざした言語を理解し、学ぼうとする姿勢はその土地の文化や伝統にも触れることになるのできっとあなたの財産となるはずです。
少しでも興味を持たれたら、ぜひ調べてみてくださいね。
弊社には、難解とされるクメール語に精通した翻訳者や通訳者が在籍しています。
クメール語でお困り事があれば、ぜひご相談くださいね。