日本が地域によって方言が存在するように、お隣の韓国でも地域によって韓国語の方言が存在するのでしょうか?
実は、韓国にも地域によって方言が存在します。
まず最初に、韓国語の標準語はソウル語と言われています。そして、方言を大別すると6つに分かれ、東南方言、西南方言、中部方言、済州方言、東北方言、西北方言です。今回は、各方言を紹介します。
今までに韓国についての別の記事で様々なトピックについて掲載しておりますので、そちらも合わせてぜひご覧ください。
ソウル語
ソウル語、またはソウルマルと呼ばれる方言は、大韓民国ソウル特別市を中心とする地域で話される朝鮮語の方言です。韓国における標準語の土台となっており、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の標準語である文化語もソウル方言が事実上の土台となっているようです。韓国の方言に比べると抑揚が少なくて平坦な発音をすることが特徴です。
韓国では方言よりも「ソウルマル」を尊重する意識が強く、非ソウル出身者が多い在日韓国人との意思疎通に少し障害を来すことが指摘されているようです。ソウルマルは韓国標準語の土台ではありますが、ソウル語と全く同じではないそうです。例えると東京方言と標準日本語、北京語と普通話との関係と同じと言えるようです。
東南方言
東南方言(とうなんほうげん)は、朝鮮半島の東南部で用いられている方言です。話されている地域は釜山や大邱、蔚山などです。嶺南方言(れいなんほうげん)や慶尚道方言(けいしょうどうほうげん)とも呼ばれています。
日本に近い地域ですので、以前から交流が活発だったこともあり、イントネーションが日本語の影響を受けているという特徴があります。また、アクセントが強くて表現が直接的なので、男性が使うと粗野な印象を与えがちだそうです。
韓国の方言の中でも個性が際立っているともいえ、ドラマや映画の題材になっていたり、なまりがK-POPアイドルや俳優のチャームポイントになっていることもあるようです。日本でも馴染み深い方言といえます。
西南方言
西南方言(せいなんほうげん)は、朝鮮半島の西南部で用いられている方言です。一般的に光州広域市、全羅南道、全羅北道などの湖南地方一帯の地域で話されており、中心都市は光州です。
こちらの地域は中国に近いので、イントネーションが中国に似ている上に早口という傾向があるようです。また、応答や呼びかけといった感動詞が頻繁に使われるのも特徴です。
中部方言
中部方言(ちゅうぶほうげん)は、朝鮮半島の中部地方で用いられている方言です。その中でも、京畿道方言、嶺東方言、忠清道方言、黄海道方言と4つに分かれ、韓国における標準語のベースになっています。韓国だけでなく北朝鮮の南部にある黄海道でも話されている方言のようです。
さらに中部方言の中でも、ソウルや仁川のある京畿道、オリンピック開催地の平昌がある江原道、大田のある忠清道では微妙に異なるようで、標準語にあたる京畿道の言葉は素朴で硬質な印象を与えるのに対し、江原道や忠清道はゆったり、おっとりした印象を与えることが特徴です。
済州方言
済州方言(チェジュほうげん)は、主に楸子群島(朝鮮語西南方言)を除く韓国済州道の韓国の南にある済州島で用いられている方言です。主要な母語話者と呼ばれる人は、済州島で1950年代以前に生まれた人々で、島独自で言葉が発達しているので、ネイティブの韓国人でさえ意味の分からない言葉がたくさんあるようです。韓国では朝鮮語の方言とみなされていますが、国際連合教育科学文化機関は2011年1月に「非常に深刻な危機に瀕した言語」に分類しました。
済州島だけ独自の方言が使われている理由は、14世紀まで「耽羅」という全く違う国だったからです。一時期は、モンゴル帝国の直轄地であったことが影響しているといわれています。
東北方言・西北方言
これら2つは北朝鮮で使われている方言です。東北方言はロシアとも国境を接する咸鏡道で、西北方言は平壌を含む平安道で話されています。北朝鮮では、方言とは別に「文化語」という標準語があり、言い回しだけでなく同じハングル文字でも発音が異なるなど、韓国語とは大きな違いのあることが特徴です。
今回は、韓国の方言について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。
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